織都桐生千三百年企画:新春を彩る・・・第二回 合資会社 後藤 資料展

 

お正月はもともとお盆と同じく先祖を祀る行事であったのが、仏教の伝来とともにいつしかお盆は先祖を供養する行事に、お正月はその年の豊作を祈る神祭りにと区分されるようになったと考えられています。

門松にしめ縄といったお正月飾りをしつらえ鏡餅を供え歳神様をお迎えして豊穣を祈る。健康に新しい年を迎えられたことを感謝する。

おせち料理は神様にお供えする供物料理です。かまどの神様が休めるよう作りおきできる物が中心で、家族の繁栄を願う縁起物の食材が使われ、めでたさが重なるようにと重箱につめたのだそうです。

正月は神様を迎え感謝する。それが本来の正月の在り方なのでしょう。

現在はどうでしょう。

お正月といえば、初詣、それともおとそにおせちやお雑煮などのお正月料理でしょうか。子どもたちにとってはお年玉が何より楽しみでしょう。

大人たちは、仕事に追われ大掃除やおせち作りもしなくなり、門松やしめ飾りは装飾品のようになり、お正月の意味もだんだん変わりつつあるように思います。

初日の出、初詣、初夢、書初めなど「初」が付くことばもたくさんあります。

「めでたい」とは新しい春を迎え芽が出るという意味があるそうです。

「あけましておめでとうございます」は、年が明け歳神様をお迎えするときの祝福のことばなのだとか。

 

今回は新しい年を迎え、「お正月らしい」「めでたい」にスポットを当てた企画展です。

富士山や日の丸を描いた扇子、縁起物の松や扇面を題材にした帯地や図案に加え、初代後藤定吉が伊勢参りの際に購入したと伝わる天照大神や猿田彦などの掛軸を展示いたしました。

ちょっと足を止めて、家族総出で家を清め正月飾りをし、うきうきとお正月を迎えた頃に戻ってみてはいかがでしょうか。

 

開催期間:平成27年1月10日(土)~2月1日(日)

 

開催場所:桐生織物記念館二階 特別展示室

 

桐生市永楽町6番6号

 

電話:0277-43-2510 (桐生織物記念館資料室直通) 

 

平成27年正月

                        桐生織物記念館資料展示室